金曜日, 10月 06, 2006

地球温暖化防止-コジェネとCHP

地球温暖化防止には、エネルギーの効率的な利用が望まれますし、化石燃料を大量に消費する従来方式の効率化は不可欠です。従来方式から排熱利用を促進することで10%の効率改善はそれ程困難なことではありません。
原子力発電に依存する方法は、廃棄物処理の困難さ、高価格建設コスト、寿命後の解体処理問題から見て、最善とは思われません。

20年程前から米国でコジェネレーション(Cogeneration)と呼ばれ、発電用熱機関の排熱を利用して70%以上のエネルギー効率が見込まれるものでした。技術的にはそれ程先進的なものではありませんので、あっと言う間に米国全州に流布することになりました。日本でも1980年代後半から導入が始められ、当初は「熱併給発電」と言う日本語が使われましたが、近頃では「コジェネ」と言うカタカナ米語が使われる様です。ヨーロッパでも日本と同時期に導入が始まり、「熱併給発電」に相当する「CHP(Combined Heat & Powerの略)」が使われ、以来「コジェネ」と言う米語が充てられることはありませんでした。ヨーロッパの誇りかも知れません。

カタ仮名英語が多くて辟易もするのですが、Cogenerationは“二つの有益物を生み出す”と言う意味で、CHPに較べてなかなか良い造語だと思います。 Tri-Generationとの表現もあり、“電気出力、蒸気出力、排ガス出力”となれば最善となりますが殆ど使われることはありません。

我が家には2ヶ月毎に、ロンドンで発行される「Cogeneration & On-site Power」が郵送されて来ますので、今月号から環境先進国ドイツのCHP協会会員の記事を紹介します。

「欧米に於けるCHPの明るい未来」再生可能な風力、太陽電池、水力発電での拡充は、長期的には熱併給発電(CHP)のポテンシャルを大いに減じることになります。しかしながら、中・短期的には情勢は異なりまして、CHP開発は殆どの国々で市場導入が活発になることが予想出来ます。ヨーロッパでは、長い間余裕のある発電容量を享受して来たのですが、現在稼働中の発電所は古くなり性能劣化が顕著になっているのです。2010~20年には、ヨーロッパの大部分の発電所が更新時期を迎えているのです。又、幾つかの国々では、原子力発電所の段階的廃止を決めていることも影響があります。次世代の発電所計画決定には、排出物(二酸化炭素排出)取引が、大きな要素となり、その意味でCHP開発には有利な状況のなっている様に思えます。電力価格の上昇傾向もCHP開発には望ましい方向ですが、化石燃料の天然ガス価格の価格高騰で、一部は相殺されてしまうこともあります。総括的に見ますと、ヨーロッパでの近未来CHP開発は、過去の情勢に較べて明るくなっていると考えられます。

日本でも、再生可能な風力、太陽電池の導入が進められ注目を集めてはいますが、如何せん、発電容量が小さすぎて、需要に見合うことはあり得ません。
原子力発電の頓挫している現在、現存の火力発電所を熱併給発電方式(コジェネ又はCHP)にて更新、効率アップを図って、二酸化炭素排出抑制に動かなければなりません。

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