土曜日, 1月 25, 2020

幾何学の楽しさを伺う-幾何への誘い

近頃、頭脳が硬くなって、得手だった応用数学も敬遠してしまいますが、新聞広告で岩波現代文書の中に、小平邦彦氏の「幾何への誘い」が宣伝されていましたので、Amazon経由で購入してみました。

小平氏は、日本初の数学界のノーベル賞とされる、フィールズ賞の受賞者で日本数学界のレベルを引き上げた功労者でもあります。
文書構成は、第1章 図形の科学と平面幾何 第2章 数学としての平面幾何 第3章 複素数と平面幾何 となっていて、複素函数論へ幾何学展開されているのに驚かされます。

読み頃は、第1章で、三角形の公理定理、平行線の公理、円の公理が分かりやすく記述解説されていて、本書の分量の半分以上を占めていて、読み応えがあります。
円錐曲線を構築したフランスの天才パスカル16才の時に発見した定理、フォイエルバッハの定理については、詳しく記述されていて、興味が尽きません。
ギリシャの哲学者プラトンが、創始した学院の入口には「幾何学を知らざる者は入るべからず」と言う額が掲げられて、論理の訓練として重視されていたと言うのも分かる様な気がして来ます。

複素函数の幾何学表示はドイツの天才ガウス(Gauss)が、創意工夫したされた世界ですが。この章は記述解説も少なく、読み進めるのには難しい様に思われます。

しかし、幾何学の面白さと知識展開での重要さを知る意味では絶好な書物の様でした!