日曜日, 1月 22, 2017

マンションの資産価値は?-マンション格差

マンションも築30年以上が当たり前になり、問われるのがマンション毎の格差で、既存マンションによる激しい大競争時代が始まっていると言うのです。
講談社現代新書「マンション格差」では、東京圏中心で、東海道線、中央線、私鉄では小田急線沿線で、マンションの格差を論じ、購入時の心得や整備法を示し、資産価値をどの様な保持するのかを示唆します。

私は日本住宅公団(現 UR都市機構)が、1980年代に「多摩ニュータウン」に造成したマンション群の一つに、1985年に入居しました。
この団地は1984年完成で、最寄り駅から徒歩15~18分の位置にあり、当時は住宅公団の住宅は「遠くて不便で高い」と言う評価が一般的で、完成から1年経過しても、空き家があったのです。

連棟式低層タウンハウスと中層5階建てマンションの混在する186戸の中規模団地、主契約者は大手の大成建設で、複数の下請け業者が建立、仕様は大成建設が設定していますので、彼等が手掛けていてよく観掛ける郵便局建屋に見えないこともありません。


建物は躯体鉄筋コンクリートに、5cm程のシンダーと言いますか化粧コンクリートを被せ、表面にはシリコーン塗装をしてありますので、メンテナンスは施工しやすいのです。 12年毎の大規模修繕が行われ、シリコーン塗装塗り直しも丁寧な刷毛塗りを指示したことで、半永久的に鉄筋コンクリートの劣化が無いのだろうと思われます。

資産価値は、購入当時は平均3400~3600万円でしたが、メンテナンス整備が良いこともあって、駅から遠いハンデにも拘わらず、半値は確保している様ですし、期待しています。

現状、大都市圏では「ニュータウン」を拡大する必要が無くなっている。嘗て猛烈な勢いで開発された「多摩ニュータウン」では一部の過疎化が進行している。
日本全体では800万戸以上も余っている。そんな状況の中、新築マンション供給は徐々に細って行き、10%未満にまで減り、アメリカやイギリスと同様に、中古住宅が住宅市場の主役となる。その場合、マンションに問われるのは立地の評価で、次に建物の管理状態となり、資産価値が決められて来る。
これまで大量に建設された分譲マンションは、その出口戦略を構築することが迫られるし、今の区分所有法では恐らく処理しきれないだろうが、マンション価値をしっかりと保持し、「格差競争」の中で有利なポジションを維持することが求められる。

日曜日, 1月 15, 2017

日本会議の研究(扶桑社新書)-1年間の調査報告&告発書

安倍首相はある宗教団体の影響を大きく受けていると、週刊誌などでは報じられてはいましたが、大手の新聞・TV既存メディアでは根拠が薄弱なのか報じられることはありませんでした。
本書は、1年間の緻密な調査報告書として、安倍政権の“黒幕”と噂される右派団体・日本会議とは何かと言う疑問に応えてくれています。

「安倍政権の暴走が止まらない。特定秘密保護法、集団的自衛権、安保法制の強行採決、傍若無人な政権運営は留まる処を知らない。 この幼稚さと野蛮さ目立つ自民党の背後には、必ずと言って良いほど、日本会議と日本青年協議会を始めとする「一群の人々」の影があるのだ。
70年安保の時代から、安藤巌、椛島有三、衛藤晟一、百地章、高橋史郎、伊藤哲夫と言った「一群の人々」は、休むことなく運動を続け、今、安倍政権を支えながら、明治憲法復活と言う悲願達成に王手を掛けた。
デモ・陳情・署名・集会・勉強会と言った「民主的な市民運動」をやり続けていたのは、極めて非民主的な思想を持つ人々だったのだ。 このまま行けば、「民主的な市民運動」は日本の民主主義を殺すだろう、何たる皮肉、これでは悲喜劇ではないか!」と告発するのです。

名指しされた椛島有三氏は、6箇所の表現修正が為されなければ名誉毀損と、出版差し止めを求めて提訴、1ヶ所は該当するとして出版差し止めが認められました。
私が拝読した限りでは、全編告発の書でもあり、その1ヶ所は特定出来ませんでした。

「美しい日本の憲法をつくる国民の会」は、新憲法制定を求める1000万人署名をめざす団体で、単純明快な方法で解説する。
会の共同代表3人のうち2人は日本会議の名誉会長や会長。会の事務局長も日本会議事務総長で、その他の役員もほとんど重複している。
日本会議は歴史教科書の採択など個別のテーマごとに別働団体を作り、草の根の運動のような形をとって政治に働きかけ、目的を達成してきたからだ。 彼らが勝負をかける「改憲」では、前述の「国民の会」のほか「新憲法研究会」や「『二十一世紀の日本と憲法』有識者懇談会」(通称「民間憲法臨調」)が作られている。
これらの団体は特段、日本会議系団体であることを隠しもしない。あくまでも別働部隊として、個別にシンポジウムを開催したり署名活動を行ったり、街頭演説を行ったりと実にさまざまなチャンネルで、自分たちの主張を繰り返し展開していると著者は言う。