土曜日, 9月 01, 2007

ボーイング737事故原因は設計変更不良の疑い

ボーイング737事故原因は設計変更不良の疑いが濃くなり、ボーイング社の製造物賠償責任(PL)法を始めとする法的責任が問われることになる気配となりました。

ボーイング737旧世代機からハイテク装備の新世代機にする際、前部可動翼(スラット)アームを取り付けるナット直径をボルト穴とほぼ同じで抜けやすいものになっていたことが分かった。
旧世代機のナットは直径1.4cmで、新世代機より30%大きい。アーム穴はそれより小さく、しかもボルト穴とナットの間にあるダウンストップ内径は0.8cmで、ワッシャーが無くてもナットが抜けない構造となっていた。
新世代機ではナット直径1.06cm、スラットアーム穴1.12cm、ダウンストップ内径は1.06cmであり、ワッシャーの介在無しには抜け落ちる懸念のある構造となっている。
整備士は「旧世代機の仕様の方が理にかなっている」と話している。


何故その様な設計変更が行われたのか現段階では不明ですが、私は「部品共通性を図った結果」だと推測しています。
何十万点ともなる航空機部品は、共通化が図られれば製造コストダウンも達成出来ますし、使用工具類も少なくなりますので、組立・整備工数も格段に少なくなるのです。
今回問題となったナットは、飛行機での違う構造部材との共通部品になっているに違いありません。
設計時の設計審査(デザイン・レビュー)では、他方面からFail Safe(間違っても安全な運行可能)・Fault Tolerant(未習熟の行為でも安全性確保)が厳しく問われる筈なのにと考えますと、何故見過ごされたのか不思議でなりません。
万全を期しても人知は限りがあるのですが、今回の不具合は「企業倫理を忘れコスト優先に走った」と言う企業営業論理の結果かも知れません。