水曜日, 9月 27, 2006

グーグル Google 既存ビジネスを破壊する-文春新書

近頃グーグル(Google)の検索エンジンの凄さを認識しています。
楽天ブログのニックネーム“カーク船長4761”で検索すると455件が表示されるが、プロバイダ契約しているBiglobeサーチでは343件となりそれ程の差を感じません。
それではと、楽天ブログのコード“kirkhanawa”で検索すると、Googleで2200件表示されるのに対し、Biglobeでは189件に過ぎず、マイクロソフトMSNサーチでは僅か20件で、圧倒的な検索結果の差となって出て来ます。
グーグル(Google)では、他のポータルサイトよりもデータベースが多量で、しかも「ページランキングテクノロジ」と言う新しい手法で、検索エンジンを駆使しているらしいのですが、下記の書籍に次のように解説されています。

「グーグル Google 既存ビジネスを破壊する」-佐々木俊尚(文春新書)

グーグルの考えた手法は、リンク元がヤフーやMSN等のきちんとしたサイトで無いと評価しない。この手法は従来の悪辣なリンクファームで汚されていた検索機能を蘇生させ、「グーグルの検索結果は的確」と人々に評価される様になった。
そして検索エンジンがインターネットの隅々まで浸透し、単なる情報収集の道具から「ナビゲーション」として使う様になった。


著者の佐々木俊尚氏は1961年生まれで、毎日新聞社、アスキーを経てIT企業関連の取材フリージャーナリストとして活躍、最近その関係の著書が多数となっています。

多くの人はグーグルを検索エンジン企業だと思っているが、今やその考え方は間違っているかも知れない。収益構造をみると「巨大な広告代理店」になりつつあるのだ。
グーグルは次々と無料サービスを打ち出し、アドワーズ・アドセンス広告で莫大な収益を維持し、既存ビジネスを破壊している。
グーグルニュースは新聞社・テレビ局等のマスメディアを破壊し、グーグルネットは通信企業を、グーグルオフィスはマイクロソフトの収益源を奪い取りつつある。


しかし、民間企業で収益性を追求することで、政府権力に妥協する弱点も指摘する。

アメリカ政府の圧力でGoogle Earthでは沖縄基地周辺の精密衛星写真は見られず、又、中国政府の要請で中国国内の検索エンジンでは「天安門事件」は結果表示無し、と改ざんした様で政治圧力への弱さには驚くしかない。
あとがきでは、インターネット社会の光と影も指摘しています。

グーグルは新しい秩序の中で、全てを司る強大な「司祭」になろうとしている。それは新たな権力の登場であり、人々がひれ伏さねばならなくかも知れない。
しかしグーグルも単なる私企業でしかなく、何時買収され、或いは破綻するか分からない。
インターネットが進化し、グーグルが退場することがあっても、恐らく他の企業がすぐさま「第二司祭」として君臨することになるだろう。
日本の既存マスメディアがインターネット社会への無理解を晒しているが、グーグル的な権力は世界を覆いつつある認識を、我々はきちんと持たなければならない。


新書版ですが、時宜を得た一冊でした。

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