特に、佐藤氏は神学研究科卒業ですから、宗教基盤について論じるのですが、普通の論客には見られない観点からの分析は、正鵠を得ている様な気がします。
取り上げられ分析される5人の指導者は、米国のトランプ氏、北朝鮮の金正恩、ロシアのプーチン氏、トルコのエルドアン氏、イランのハメネイ氏ですが、否定的見解は見られず、現在悪の権化とされ国際社会から強い制裁を受けている北朝鮮の金正恩についても、客観的にその行動基盤を分析するのです。
米国のトランプ氏については、近頃批判の的とされているエルサレム首都問題では、プロテスタント長老派の彼として当然の帰結で、アラブ諸国の支援を受けて、イランとの対決姿勢を強めるだろうと、事前に分析しているのです。
とりわけ、ロシアのプーチン氏については絶賛、教養や知識の広がりや深さは、他の指導者とは較べるべくも無いとするのです。 ロシアには、悲劇的や様々なマイナスの歴史はあるが、それらも含めてロシアであり、それぞれの時代の中で解決すべき点は解決して行こうとする姿勢は妥当と評価するのです。
韓国の様に、日本に依る朝鮮戦略の史実を無限遡及的に、「悪無限」として、現代日本を常に批判するのは、生産的でないと処断分析しています。
しかし、悪の指導者の代表格とされる中国の習近平氏は本書に含まれないのは不思議に思われますが、最終章で記載されている「少し時間を置きたい」と言うのです。 何故ならば、習近平氏は中華覇権主義を奉じ、2016年10月には別格の指導者「核心」に位置づけられ、益々その体制が強化されて行きますが、現状は比較的に安定していて変化は無く、任期10年を延長する様な事態を見守りたいのと趣旨の様でした。
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