ヒラリー・クリントン女史は2016年の大統領選の民主党候補として最有力とされていますが、格差是正を掲げるサンダース氏に苦戦の様相を呈しています。
8年前にも最有力だったのですが、人種差別撤廃を掲げるオバマ候補に、集金力不足と女性差別撤廃キャンペーンの選択違いもあり敗れたのです。
やはり、「人種差別主義者と見られるくらいなら、女性差別主義者と見られた方が益しだ」と言うアメリカの伝統は根強かった様です。
しかし、捲土重来、今回も健全で強いアメリカの回復を目指して立候補しているのですから、イギリスのサッチャー以上に「鉄の女」と言えるかも知れません。
あとがきを見ますと、二部構成の様で、ヒラリー・クリントンがファーストレディとして鮮烈な登場を遂げて以来「こう言う女性類型は世界史に登場したことは無かった」と感激し、半分は2008年民主党予備選でヒラリーが勝つと思い込んで書き終えたが、マイノリティ融和を主張するオバマに一敗地に塗れた後、国務長官に就任して2016年次期大統領を担う運命を引き受けたと述懐しています。
彼女の座右の銘は「現実を楽観的にではなく悲観的に捉え、最悪のシナリオを想定せよ。にも拘わらず希望を失わずに現実に対処し、パワーの行使によって打開せよ」であり、交渉のテーブルに引き出すには敵を追い詰め、一方では利を食らわせる古典的手法を執る「リアル・ポリティーク」を主手順とするらしい。
イスラム圏の厄介さはイスラム教の中核を女性に対する束縛が占めていることにあり、「女性の解放こそが安全保障と深く関わる」と彼女の外交の射程が相手国の貧困、環境、教育、家族計画にまで拡大されていることになる。
中東だけでなく、北朝鮮、中・露に対しても、ヒラリー路線がオバマ外交の基調となった。
対中国政策では、オバマ時代と異なり、強硬路線に変貌するのは間違い無さそうです。
第1次オバマ政権からクリントンが離脱し、第2次オバマ政権は中国に対し「誤解された友邦」として太平洋に緊張がない様に振舞う「リバランス(再均衡)政策」は、中国の覇権膨張主義は度合いを増して、限界を迎えている。
ヒラリーは国務長官就任早々の訪問にて柔軟路線で効果がないと知るや、対決路線に切り替えた。尖閣や南シナ海への中国の膨張政策を真っ向から批判、オバマ以前の大統領の対中政策をガラリと入れ替えた。これはアメリカ開拓時代の米国西部同様、法の支配を無視した弱肉強食の場として切り捨てたのだ。
火曜日, 2月 16, 2016
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