月曜日, 6月 11, 2012

ダイソンのエアマルチプライアーへの疑問

今年は節電志向が強く、エアコンの替りに高額の扇風機に人気が集まっていると聞き、家電量販店に行ってみました。2万~3万円の種々の工夫をした新製品が並び、結構売れているようでした。 兎に角、中心部と外周部でファン形状を変えたり、ファン枚数を増やして静粛な風切り音となる等、柔らかく一様で自然に吹く風に近い工夫をする技術が発揮されている様で白物家電の好調さはメーカーの努力による処が大きいと感心させられました。 その中で異質を放っていましたのがダイソンのエアマルチプライアー、至って高額で5万円を越えますし、見た目では大きな輪があるだけで羽根が無いのが特徴です。 工学的に言いますと、蒸気エジェクター(Ejector)・空気エダクター(Eductor)を応用したもので、特に突出した技術ではありません。 支柱ポールに内蔵されている遠心式の斜流インペラー(Mixed Flow Impeller)で圧縮された空気を円輪状のスリットから放出して、周りの空気を誘引して15倍の風を作りだす空気エダクター装置なのです。 この斜流インペラーはダイソンのサイクロンセパレータ式掃除機にも利用されているもので、回転数が毎分10万回を越える強力なものですので、高周波騒音が大きいことでも知られています。 通常の改良型軸流式ファンでは、従来の30W動力を半減させ、静音設計で20dBを実現させているのです。 しかしながら、ダイソンのエアマルチプライアーでは40~65Wと所要動力と大きくて節電志向ではありませんし、騒音も改良型軸流式ファンとは較べものにならない程大きいと推測出来ますので、静かな室内で使うには適当では無いと考えるに至りました。

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