言論の自由が役立つ場面よりも、報道被害の方が目に付く中で、国民は「マスコミは知る権利に本当に応えているのか。寧ろ私権を侵害しているのではないか。マスコミに公共性があるとするなら、具体的に示して欲しい」と問いかけるようになった。実際、ワイドショーの中には自分で自分の首を絞めているとしか思えないものがあります。
著者の河内孝氏は、毎日新聞の営業担当常務を務めた人物で、業界内でも語られない販売の裏側について、生々しく紹介しているのは珍しいかも知れません。
「販売が大変だから改革せねばならない」ことには、全員賛成でした。改革案を役員会に提示し全員一致で決めたのです。身を切る改革に販売局、販売店主達から相当の反発、抵抗が起きることも当然覚悟していました。
結果的には私には想定内の事態が、他の人達には予想外の深刻な事態になってしまい、改革は挫折し、私は退任・退社したのですが、誠に残念でした。
ジャーナリズムを議論するのでなく、ビジネスとしての将来像を見つめることで、これまでの新聞批判本とは違う特異性はあります。
3大新聞と呼ばれて来ましたが、圧倒的に読売、朝日のメガ新聞に差を開けられてしまった、毎日新聞の再生の為に採るべき方向を指し示しているのが本書の狙いの様でした。
それは第三極構想とされ、毎日新聞を中心に産経新聞・中日新聞が業務提携するというもので、中部圏では非常に強固な地盤を持つ中日、首都圏では産経、九州地区では毎日が強い地盤なので、連携すれば全国紙の展望が開けると言うのです。
しかし、毎日サイドの我田引水的な色彩が濃く、連携相手とされる産経・中日側には、危機に瀕した毎日と連携するメリットは少ないのでは懸念せざるを得ません。
結局は、社内改革抗争に敗れた著者が、出版社の力を借りてその改革案を世に問うた著作ですが、読み進む内に社内文書を読まされている感じがして仕方がなく、何とも読み応えが無いのが如何にも残念でした。
月曜日, 11月 26, 2007
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