月曜日, 11月 26, 2007

水道本管(ダクタイル鋳鉄)の更正工事-多摩ニュータウンの事例

多摩ニュータウンでは幹線道路での水道管の更正工事が始まって久しく、半年を経過しても完了していません。処々に路線規制もあり、アスファルト路面も凸凹でとてもスムーズな走行は出来ません。
当初はねずみ鋳鉄(Gray Cast Iron)管からダクタイル鋳鉄(Ductile Iron)管への更新をしているのかと思っていたのですが、1970年代に開発された多摩ニュータウン地区は最初からダクタイル鋳鉄(Ductile Iron)管が敷設されていた様で、今回は「高度浄水」のコンセプトにも対応した管内エポキシ塗装を更新・更正する工事の様です。

東京都水道局では、平成19年4月からNS形ダクタイル鋳鉄管の採用口径を呼び径75~250mmまでを呼び径1,000mmまで拡大したことに伴い、説明会を平成19年3月に開催しました。
その後の入札結果から、施工企業が選定し、ダクタイル鋳鉄管の直管の管内面塗装を現行の呼び径350mmから呼び径1,000mmまでモルタルライニングからエポキシ樹脂粉体塗装への変更工事を行いますのでお知らせします。
留意事項:
US形ダクタイル鋳鉄管の内面継手管・ダクタイル鋳鉄管推進工法など、管路内での作業を伴うものについては、従来どおりモルタルライニング管としますのでご注意ください。


ダクタイル鋳鉄とは、普通鋳鉄の衝撃に弱い欠点を克服し、鋳鉄でありながら鋼と変わらない強度と伸び特性を持つ「球状黒鉛鋳鉄」。1954年クボタが世界にさきがけて大口径ダクタイル鋳鉄管の製造に成功させ、1957年には遠心力鋳造法によるダクタイル鋳鉄管の量産を実現させた。

厚生省では1991年には「フレッシュ水道計画」を策定、「質の高い水道施設づくり」として21世紀に向けた水道整備の長期目標を示し、地震などの災害にも強い水道を強調した。更にモータリゼーション進展により管路に加わる荷重は一層の増大傾向にあり、広範な地域で発生している地盤沈下と言う深刻な課題克服もあり、ダクタイル鋳鉄管は、瞬間的に発生する巨大な衝撃に耐え、長期間にわたって厳しい圧力に耐える要求に応える戦略素形材として位置付けられている。
又、現代の都市事情・交通事情に見合った新しい施工技術。たとえば「パイプ・イン・パイプ工法」「既設管破砕推進工法」も開発されている。既設パイプをさや管としてその中に新パイプを挿入し管路更新する工法である。パイプ接合を省人自動化する「接合ロボット」の研究開発も進む。「高度浄水」のコンセプトにも対応したパイプ内面処理技術の高度化(内面エポキシ樹脂粉体塗装)も進む。


幹線水道本管がエポキシ塗装となりますと、各家庭への小さな給水管は塩ビ製ですから、これでは全てプラスチック配管で供給された水道水を飲むことになり、プラスチックからは環境ホルモン物質の溶解が懸念されることになります。
この様なシステムを変更することは困難と思われますが、近頃多くなった飲料水・お茶販売なども全てペットボトルで販売されていますので、その不安は消えません。

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