月曜日, 6月 05, 2017

スノーデン日本への警告-インタビューと本人不在のパネリスト討論

米国家安全保障局(NSA)による大規模な個人情報収集を告発し、ロシアに亡命中の米中央情報局(CIA)のエドワード・スノーデン氏に2016年6月に行われた独占インタビューと、同月東大で行われた4人のパネリストによる討論シンポジウムを纏めたものですが、もう時宜を逸している感もありました。

しかし、世界各国で自国益第一主義が蔓延り、国を導くべきリーダーが、「自分にとって良いか否かが全て、自分が何をやりたいかが全て」と、その論理国民の為では無く、自己正当化する我欲の論理が甚だしくなって来ています。

彼が慎ましくも言う「私達は皆人生の何処かで、易きに流れる道と正しい道の何れかを選ばなければならない場面に出会います。小さなリスクを取ることで社会をより良くすることが出来る機会がある筈です」は傾聴に値する気がします。

又、マスコミにも警鐘を鳴らし、「自由な報道は政府の言いなりではなく、政府による情報独占に対抗する必要があります。政府の動きを調査し、企業の動きを調査し、判明した結果を人々に伝えることがジャーナリストの役目なのです」、と近々政府広報にも達しているマスコミにも苦言を呈しているのも、少なからず正論と見えました。

時宜を逸していると思われるのは、6月2日付けのインタビューで少し進んだ警告を発しているからです。

日本政府が個人のメールや通話などの大量監視を行える状態にあることを指摘する証言。参院で審議中の「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が、個人情報の大規模収集を公認することになると警鐘を鳴らした。

NSAは「XKEYSCORE(エックスキースコア)」と呼ばれるメールや通話などの大規模監視システムを日本側に供与、世界中のほぼ全ての通信情報を収集出来るもので、NSA要員が日本での訓練実施を上層部に求めた2013年4月付の文書を公開した。

今年5月29日の参院本会議で、安倍首相は文書を「出所不明」としてコメントを拒否したが、元職員は「供与を示す文書は本物だ。米政府も本物と認めている。日本政府が認めないことは馬鹿げている」と語り、欧米だけでなく日本等で個人監視が強まっていると憂い、「世界は歴史的転換点に差し掛かっている」と指摘し、現状を放置すればテロ対策を名目にした「暗い」監視社会が待っていると、口調を強めて警告した。

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