米国の歴代政権の国防政策を40年に亘って担当し、親中派として好意的に中国支援をしていたのですが、中国は好意を無にして米国に取って代わって世界覇権を目論んでいることを知り、その長期戦略に警鐘を鳴らす様になりました。
ビルズベリー氏の分析については、出典引用も多く妥当で見事とは、思うのですが、結論が至極甘いものと思わざるを得ませんのが残念です。
日本は既に中国の100年マラソンに巻き込まれて、苦い後塵を拝していると思うのです。
1972年の日中友好はソ連からの圧力対抗に利用され、ソ連がロシアに替わってその役割を終えて、GDPが日本を凌駕することが確実となった2000年の江沢民からは、中華覇権を称えて、小日本と揶揄して愛国反日を原則としたのです。反日プロパガンダの激しさは近年影を潜めてはいますが、友好的ではありません。
次は、中国は米国のGDPを凌駕する2049年には、米国も役割を終えて揶揄し、世界覇権を制覇することになると言う戦略を読み取ることが出来ました。
中国の戦略は、西洋の歴史的成功と古代中国の盛衰を学ぶことに基づき、態勢を整えておいて、好機が訪れたらそれを逃さないと言うのが本質だ。
100年計画で世界制覇を樹立する為の9要素があって、
1. 敵の自己満足を引き出し、警戒態勢を取らせない
2. 敵の助言者を利用する
3. 勝利の為には、数十年或いはそれ以上我慢する
4. 敵の考えや技術を盗む
5. 軍事力は決定的な要因ではない
6. 覇権国は、極端で無謀な行動を取る
7. 勢いを失わない
8. ライバルの相対的な力を測る尺度を確立する
9. 他国に包囲され、騙されないしない様にする
100年計画の途中経過として、世界は次の危機に晒される
1. 中国の価値観がアメリカの価値観に取って替わる
2. 中国はインターネットの反対意見を検閲する
3. 中国は民主化に反対する
4. 中国はアメリカの敵と同盟を結ぶ
5. 中国は大気汚染に依る世界終末を輸出する
6. 成長戦略は水の枯渇と汚染を引き起こす
7. 発癌性物質を使用する食品も輸出する
8. 欺く窃盗のチャンピオンを野放しにする
9. 国連と世界貿易機関を弱体化させる
10. 営利目的で兵器を量産する
結論として、中国政府は今後数十年に亘って、戦争や領土侵略ではなく、経済、貿易、通貨、資源、地政学的協力を巡る攻防を展開する。
それと張り合うには、野望を見極め、国際基準の境界を踏み越えそうになったら、その動きを非難し警告することが必須となる。
月曜日, 2月 20, 2017
日曜日, 2月 05, 2017
出色キャスターの内省的回顧録-キャスターという仕事
23年間に亘って、NHK「クローズアップ現代」のキャスターを務めた国谷裕子女史の半生の内省回顧録で、キャスターという仕事のあるべき姿を提示していて興味深いものがありました。
アメリカの大学を卒業、帰国子女で小学校の数年を除いて、海外の大学やインターナショナルで教育を受けたことでNHKからの依頼もあって国際報道を担当しますが、日本のことを知らず、日本語の「てにをは」がおかしく、辛酸を嘗めてしまいます。
NHK職員ではなく、契約社員であったこともあって、業務に縛られずに、降板と言う失敗を克服すべく自己研鑽を重ねます。
そしてノウハウを積み重ねる研鑽と臥薪嘗胆が功を奏して、遂に1993年、「クローズアップ現代」と言う、政治、経済、事件、災害、社会、文化、スポーツと幅広いテーマを扱う番組のキャスターに抜擢されたのです。
それから23年間、3800件に近くキャスターとして、個人が組織、社会に抗って生きるのは難しいと、企業不祥事が起きると法令順守、リスク管理を喚起したのですが、社会全体に「不寛容な空気」が浸透して行くのを感じて、公共放送の公平さに則り、企業のみならず政府にも直言を呈する様になります。
安倍政権が望んだ政府に従順なNHK会長が就任することで、政府に直言する傾向のある「ニュース9」キャスターの大越氏の降板に続き、やらせ番組を報道したとして「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子女史の契約解除と言う事態となりました。
「あとがき」には、「トランプ大統領がメディアは余計なフィルターとしてTwitterを使って情報発信をして「Post-Truth(脱真理)」の世界が広がりつつある。しかし、人々の生活に大きな影響を及ぼす立場にある人に対して、発言の真意と根拠を丁寧に確かめなくてはならない。ジャーナリズムがその姿勢を貫くことが、民主主義を脅かす「脱真理」の世界を覆すことに繋がると信じたい」と結ぶのです。
将に民主主義の危機と警告しているのが感じられる書籍でした!
アメリカの大学を卒業、帰国子女で小学校の数年を除いて、海外の大学やインターナショナルで教育を受けたことでNHKからの依頼もあって国際報道を担当しますが、日本のことを知らず、日本語の「てにをは」がおかしく、辛酸を嘗めてしまいます。
NHK職員ではなく、契約社員であったこともあって、業務に縛られずに、降板と言う失敗を克服すべく自己研鑽を重ねます。
そしてノウハウを積み重ねる研鑽と臥薪嘗胆が功を奏して、遂に1993年、「クローズアップ現代」と言う、政治、経済、事件、災害、社会、文化、スポーツと幅広いテーマを扱う番組のキャスターに抜擢されたのです。
それから23年間、3800件に近くキャスターとして、個人が組織、社会に抗って生きるのは難しいと、企業不祥事が起きると法令順守、リスク管理を喚起したのですが、社会全体に「不寛容な空気」が浸透して行くのを感じて、公共放送の公平さに則り、企業のみならず政府にも直言を呈する様になります。
安倍政権が望んだ政府に従順なNHK会長が就任することで、政府に直言する傾向のある「ニュース9」キャスターの大越氏の降板に続き、やらせ番組を報道したとして「クローズアップ現代」のキャスター国谷裕子女史の契約解除と言う事態となりました。
「あとがき」には、「トランプ大統領がメディアは余計なフィルターとしてTwitterを使って情報発信をして「Post-Truth(脱真理)」の世界が広がりつつある。しかし、人々の生活に大きな影響を及ぼす立場にある人に対して、発言の真意と根拠を丁寧に確かめなくてはならない。ジャーナリズムがその姿勢を貫くことが、民主主義を脅かす「脱真理」の世界を覆すことに繋がると信じたい」と結ぶのです。
将に民主主義の危機と警告しているのが感じられる書籍でした!
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