近頃は冠婚葬祭も洋風になり、家紋入りの和服を着る機会も殆ど無いことから、自分の家紋も知らない人が激増しているだと思われます。
未だ墓石の多くには家紋が彫られている現状ですが、家より自分の想いを墓石に刻む例も増えて来ていますので、家紋の将来は風前の灯と言ったところでしょうか?
各家に代々伝わるとされる家紋は、平安時代後期に貴族が装飾的目的で使用し始め、鎌倉時代に武家が敵味方を判別する必要性から広まり、江戸時代に庶民が「家を表す」意味で使うに至って、数および絵柄が著しく増え、現在では2万5000種以上となるそうです。
家紋と言うものは、先祖から受け継がれることに価値があるものですから、出来るだけ探してみるのが良いのです。「家紋を探る」ことは家の伝統を探ることそのもの、此処に家紋を持つロマンが感じられます。
しかし手を尽くしても見つからない時は、新しく作ってしまうのも一つの手で、自分の好きな植物・動物や器具、星座や干支でも良く、自分に纏わるもので自由に作ってしまうことも出来るのです。
外国の紋章が動物をモチーフにしたものが多いのに対し、日本では植物紋が目を引きます。これは日本人が農耕民族だからで、野山に咲く花を愛し、雑草でさえも美しく紋章化してしまう日本人の美意識には脱帽です。
2時間程で気軽に読了してしまえるのは、著者が厳格な家紋専門家でなく、染色補正の職人として家紋を補正している内に、洗練されたデザインに引き込まれた結果の感動が、文章に籠められているからなのかも知れません。
水曜日, 1月 28, 2009
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