水曜日, 1月 30, 2013
核融合研究炉JT-60SAの組立作業開始
国際熱核融合実験炉(ITER)の建設候補地としては、当初米国サンディエゴ近傍、日本苫小牧、青森県六ヶ所村、仏国カダラッシュが挙げられていたが、2005年6月カダラッシュに建設することが決定された。
現在最も研究が進んでいるのは、磁気閉じ込め方式の一種であるトカマク型であり、ITERでもこの方式を用いられる。
しかし、核融合は自然界恒星で起きているD-D反応では10億度プラズマを必要とし実用が難しいとされ、採用されない。
D (重水素)+ D(重水素)→He (ヘリウム)+エネルギー
反応条件が緩やかなD-T反応は1億度程度の高温で核融合反応が起きるので、実用に適するとして採用されることになっている。
D(重水素) + T(三重水素)→He(ヘリウム) + n(中性子)+エネルギー
三重水素(トリチウム)は放射性元素で放射能の危険性は無視できないし、D-T反応では高速中性子が発生し炉壁などの放射化への問題解決が求められる。
又、トカマク型にも弱点があり、核融合の際に発生する中性子が炉壁などを傷つけるためにその構成材質の変質・耐久力が問題となる。
ヘリウム冷凍で極低温となったニオブ合金が超電導状態となるので、それで強力磁場を形成し1億度のプラズマをトカマク炉内に浮かすのであるが、未だ電気を取り出す程持続出来てはおらず、又ヘリウム冷凍システム故障の場合における安全な熱解放(Quench)システムも未だ万全では無い。
研究炉(JT-60SA)、実験炉(ITER)を経て、発電実証炉に至るのであるが、2050年迄に実現出来るか否か、未だ見通しは立っていないのが現状だろうと思っている。
日本原子力開発機構那珂研究所で1月28日、核融合技術の研究炉JT-60SAの組立作業が始まった。日米欧7ヶ国が平成19年から共同で進めている国際熱核融合実験炉(ITER)計画の一環で、平成31年3月の実験開始を目指す。
ITER計画は、重水素やトリチウム等からヘリウム原子核になる反応を地上で起こし、発電に利用する「核融合発電」の実用化を目指す国際プロジェクト。
JT-60SAは、フランスで建設中のITERの1/2スケールで、直径約13.5m、高さ15.5m。ITERに先行して実験を行い、結果をITERや将来の発電炉に反映させる。
日欧が建設費計435億円を出し、各国で製造したパーツを同研究所で組み立てる。
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