今朝のNHKニュースで、広島県の機械メーカが「超臨界水による廃液処理装置」を製造・販売していることが報じられていました。
注目しているのは焼酎メーカ業界、醸造後の廃液を従来は海上投棄していたのですが、これからは投棄禁止となり、年間22万トンに及ぶ廃液処理は喫緊の課題となりました。
デモンストレーションによると、どろどろの廃液は、超臨界水を使うことで水と2酸化炭素ガスに分解され、固形物は何も残りません。
しかしニュースで見る限り、実験室規模に近く、年間22万トンに及ぶ大型廃液処理プラントが実現するには未だ壁が幾つかある様な気がします。
それでもこのようなニュース報道には、環境技術の進歩が感じられ、持続可能な社会実現への一歩とも思われ、嬉しいものがあります。
超臨界流体は、入り込む気体の性質(拡散性)と、成分を溶かす液体の性質(溶解性)を持っていますので、環境/医薬品分野での有機溶媒の代替としても利用でき、環境に優しい技術として注目を浴びています。
水の場合は圧力22.1MPa・温度374℃、二酸化炭素の場合は圧力7.4MPa・温度31℃を超えた領域で超臨界状態となります。
超臨界水利用は1990年代中頃から始まっていましたが、超臨界二酸化炭素に比べて相当の高温・高圧が必要で、特有の取り扱い難さを伴って進展はなかなかの様でした。
しかし、燃焼処理とは異なり、ダイオキシンやNOx(窒素酸化物)等は発生しませんので、特にプラスチック処理・ダイオキシン分解等には、環境にも優しい超臨界水利用の処理装置実用化の進展が期待されます。
この種の問題は、何時もコスト競争力の有無が、最後の難関となります。
溶剤を使わない超臨界二酸化炭素でのクリーニングは、環境に優しく繊維を傷めず、色落ちも無いことで、数年前に話題になりましたが、現在業界に浸透しつつあるのでしょうか?
金曜日, 10月 05, 2007
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